「モンタニア」代表 牧野昭仁さん


2回に渡ってお届けしている、アウトドアショップ「モンタニア」牧野昭仁さんのストーリー。

 

前編では、店を継いだ経緯、必死に経営を学んだ話、行動派の理由について教えていただきました。

 

後編となる今回の記事では、インスタライブをはじめとした最近の取り組みや、店への想いを掘り下げます。

 




撮影時の荷物の中身。どこへ行くにも欠かせないスマホポーチのほか、今のお気に入りは、外ポケットがたくさんついた「ミステリーランチ」のバックパックと、キャップをひねるだけで飲める「ハイドラパック」のウォーターボトル。

 

「豊橋がちょっと楽しくなるお手伝い」―これは、昭仁さんが二代目に就任してから、新たに掲げたショップのコンセプトです。

 

店内には、本格的な登山やクライミングの専門用品に並んで、ソロキャンプ、ちょっとした外遊びで使えそうなアイテムまで揃います。商品は、どのような思いでセレクトされているのでしょうか。

 

昭仁さん:

アウトドアで使えるのはもちろん、普段の暮らしでも快適に楽しめるものを提案しています。奇しくも、コロナ禍によるステイホームの影響で、庭キャンなどの遊び方が広まりました。もちろん、登山用品にも力を入れていますが、それだけに特化してしまうと、商売としては難しいのが現状です。

 

展示会などでいいなと思う商品を見つけたら、仕入れを依頼し、店頭に並べる。商品には、手書きのPOPをつけて魅力を伝えるようにしています。ただ、その時点ではまだ、自己満足の世界。それを誰かが手に取ってくれ、評判がよくて初めてやりがいを感じられます。  最近では、お客さんが「モンタニアで買ったよ」「これ良かったよ」とインスタで共有してくれるのがうれしいですね。  

 


昭仁さん、母・三千代さんをはじめ、店の主力スタッフは計4人。それぞれに「この人から買いたい」という熱心なファンがついています(30年近く、毎週のように通う常連さんも!)。  

 

コロナ禍では、持ち味である接客が思うようにできないもどかしさがありましたが、インスタライブを始めたことで道が開けたそう。  

昭仁さん:

インスタライブのきっかけの一つは、少し前にキャンプブームが始まり、YouTuberが紹介したものを買いに来るお客さんが増えたんです。でも、その商品がお客さんにとって必ずしも正解とは限らないし、商品の知識なら、ぼくらの方が格段にたくさん持ってる。それに、YouTuberに会いに行くことはできませんが、店に来てもらえれば、ぼくに直接会って話すこともできます。

 

ライブでは、商品を宣伝するというよりも、友だちに話しているような感覚です。お昼に、バーナーを使ってメスティンでご飯を炊いて食べる動画をアップしたところ「あれはどうやってるんですか?」と、聞きに来てくれる人が増えました。

 

店から30分~1時間以内で行ける里山へ出かけ、今日のように、出勤前に山歩きしながらインスタライブをすることもあります。東三河は、海も山も川も近いのがいいところ。  

 

 

恒例のインスタライブ開始! 「おちばの里親水公園」(静岡県湖西市)から始まる自然歩道は、人が少ない穴場スポットで、動画撮影も気兼ねなくできる。

 

 


休憩タイムのおやつは、携帯に便利な「INIC」のアイスコーヒーと、友人の洋菓子店「マッターホーン」の焼き菓子。現在、シェラカップ、アルコール、トランギアのケトルが収納できるオリジナル収納ケースを開発中。

 

 

 

経営者として、先代からの道をつないできた昭仁さん。これから事業を立ち上げる人や、仕事に悩む人に声をかけるとしたら?

 

昭仁さん:

就職・転職はしたことがないので、そのあたりのアドバイスはできませんが、働くことについては「好きになれることを探す」のが大事かなと。ありがたいことに、ぼくはとても恵まれていて、いるべきところに常にいるイメージ。やりたいことがあれば、どこか別の会社や業界に行くというより、自分で変えてしまえばいいと思っています。

 

確かに、私たちは知らずのうちに「こうでなければ」と思い込んでしまいがちです。仮に経営者という立場でなくても、意識の持ち方次第で、変えていけることは案外多いのかもしれません。  


昭仁さんにとって、店は大切な居場所であり、同時に、切っても切り離せないアイデンティティのようなもの。それを裏付けるような、子どものころからの"夢"について教えてくれました。 

 

昭仁さん:

一度でいいから、お客さんになって「モンタニア」に行ってみたいんです。小学生の時は店の2階に住んでいたので、お客さんが楽しそうに父と話すのを見てはうらやましかった。父のお客さんになることが憧れでした。

 

 

今では、昭仁さんのお子さんが、しょっちゅう店に来たがるそうです。お客さんが商品を眺めるときのワクワク感、昭仁さんと話す楽しそうな様子を、子どもが一番身近なところで感じ取っているのかもしれません。


 

 

最近、店で使う電気をすべて再生エネルギーに変えたという昭仁さん。そこには、未来に向けた思いがあります。

 

昭仁さん:

この先、商売を続けていく上で、この自然環境がいつまで保たれるのかな、というのが心配で。今日みたいに、のんびり山を歩いてコーヒーを飲んで…なんて過ごし方が、この先もできるか分からない。アウトドアを提案する店として、地球のために、少しでもできることをやっていきたいですね。

 

 



牧野昭仁さん

 

1982年生まれ。登山好きが高じて店を始めた、父の背中を見て育つ。高校時代は山岳部に所属し、インターハイに出場。ニュージーランドに留学後、24歳で二代目店主に就任。ちなみに屋号はスペイン語で「山」の意味。

 

 


モンタニア

愛知県豊橋市萱町5番地

Tel. 0532-55-0125

10:00~19:00 毎週火曜休  

http://www.montania.jp/

Instagram:@montaniashop

 

※情報は2021年7月取材時点のものです