「モンタニア」代表 牧野昭仁さん


 第一回目の「働く人」は、アウトドア好きから絶大な信頼を誇るショップ「モンタニア」の牧野昭仁さん。

 

よく出かけるという近場の山歩きに同行し、お店のこと、仕事への想いを伺いました。




 

豊橋市にある「モンタニア」は、登山やクライミング用品を扱うアウトドアショップです。先代である父・仁雄さんと母・三千代さんが1970年に創業し、現在の萱町に移転。その後、父の急逝により24歳で店を継ぐことに。

 

高校時代には山岳部でインターハイに出場するなど、山の知識や技術は一通り身に付けていた昭仁さんですが、それだけでは到底店はやれないと言います。

 

 

昭仁さん流の楽しみ方は、里山を歩き、簡単な外ごはんを食べること。定番メニューはカップラーメン。


道中のビュースポット。木を見上げると、まるでうごめくパズルのよう。

 

 

 

昭仁さん:

急なことだったので、店を更地にして駐車場にしようか一瞬迷ったのですが、結局継ぐことになりました。自分の場合、登山や外で過ごすことがものすごく好きで店を始めたわけじゃない。継いだ時には、店もだいたいでき上がっていたので「これをどう維持していこうか」というのが目の前の課題でした。

 

それで、20代のころは、経営のセミナーや勉強会ばかり行っていました。当時、お客さんから「もっと山に行かなきゃ」なんて言われたこともありますが、まずは店の経営の仕方を覚えていかないとだめだ、と感じていた時期です。30代になってからですね、「ゆっくり山に行こうかな」と思えるようになったのは。  

 


 

 

 

アウトドアショップのオーナーと聞くと「趣味を仕事にした」「仕事=遊び」といったイメージが先行しがちですが、表に見えない努力があってこそ。独身時代には、給料の8割をつぎこんで、自分の店の商品を買っては試していたとか。

 

 

昭仁さん:

店頭で新商品をおすすめするのに、自分がワンシーズン前の服を着るわけにもいかなくて。一般の人が思うイメージとは、だいぶ違うんじゃないかな。

好き勝手に遊んでいるように見えるかもしれないけど、お客さんが興味のありそうな遊びを嗅ぎつけて、いち早く試す。自分としては、お客さんのイメージの世界で生きているような感覚です。


 

今回のインタビューで驚いたのが、国境をも超える行動力と社交性。英語が全くできないまま留学したニュージーランドでは、ホストファミリーのお母さんに毎日宿題を手伝ってもらい、息子のようにかわいがられたこと。

ノルディックウォーキングのインストラクター資格を取得するために、本場のオーストリアまで行ったこと。

現地でいち早く見たいからと、わざわざ海外まで展示会に足を運ぶなど、この手のエピソードには事欠きません。

 

持ち前の性格が仕事力に直結しているのでは?と尋ねてみると、返ってきたのは意外な答えでした。

 


 

昭仁さん:

頭の中に、常に2人の自分がいる感覚なんです。一人は、面倒くさがりで何もやりたくない自分。もう一人は、これを自分にやらせてみよう、と体を操っている自分。

 

「海外に自分を連れて行ったらおもしろいことが起きそうだな」とか、仕事で気乗りのしない場面では「あの人に会うと、後できっといいことあるぞ」と言い聞かせるとか(笑)。そんな風に想像すると、大抵のことはできちゃいます。

 

 

―後編へ続く― 

 

目的地「富士見岩」に到着。標高415m、静岡県と愛知県の境にある。空気が澄んでいれば、岩の東側からは富士山や南アルプス、南側からは浜名湖や太平洋が望める。

 



牧野昭仁さん

 

1982年生まれ。登山好きが高じて店を始めた、父の背中を見て育つ。高校時代は山岳部に所属し、インターハイに出場。ニュージーランドに留学後、24歳で二代目店主に就任。ちなみに屋号はスペイン語で「山」の意味。

 

 


モンタニア

愛知県豊橋市萱町5番地

Tel. 0532-55-0125

10:00~19:00 毎週火曜休  

http://www.montania.jp/

Instagram:@montaniashop

 

※情報は2021年7月取材時点のものです